ひとくちにライターと言ってもその形態はいろいろです。
ここでは、バイク、クルマ雑誌という限定された範囲での、
私個人の体験に基づく話になるので、すべてに当てはまるわけではありません。
その辺をご承知の上でお読み下さい。
ライターというのは、
文字どおり特定の会社や団体と雇用関係を結んでいない著述家のことです。
ある分野についての知識や人脈、情報収集能力などに長けていて、
いろいろな雑誌で原稿を書いている姿を思い浮かべるのではないかと思いますが、
ことバイク雑誌に関しては、ひとつの雑誌、あるいは出版社にくっついて仕事をしている人がほとんどです。
バイク雑誌業界は狭いっ!
というのも、バイク雑誌のライターは、
単に原稿を書くだけでなく、新車の試乗レポートをしたり、
新製品のテストレポートをしたり、メンテナンスの手順を説明したり、読者の質問に答えたり、
何かと誌面に登場する機会が多く、どうしてもその雑誌のキャラクター的な色合いが濃くなります。
しかもバイク雑誌業界は、全部集めても20数誌しかない小さな業界ですから、
他の雑誌の色がついたライターを、少なくとも同じようなネタと形では使いづらいわけです。
同じ出版社で複数のバイク雑誌を出している場合を除けば、
名前や顔を誌面に露出しながらいくつかの雑誌を掛け持ちしているライターは、
私の知りうる限り両手で足りるぐらいしかいません。
これがクルマ雑誌になると、業界自体が圧倒的に大きく、
例えば新車系と中古車系というように、互いに読者を食い合わないカテゴリーがいくつもあるため、
ちょっと仕事ができるようになると数誌でドライビングインプレッションを語ったりするのは当たり前。
中には、コッチの本じゃほとんどカス扱いなのに、アッチの本じゃ先生扱いで原稿書いてる、なんてケースもあります。
アルバイトの方が安定してます
さて、バイク雑誌のライターの方は、
そんな経緯でひとつの雑誌に居着くわけですが、
それでも何か契約のようなものがあったり、
「ひと月に最低でも何ページ分は仕事をくれる」みたいな確約があるわけではありません。
得意としている分野とその号の企画内容が合わなければ、
月によってはほとんど仕事が来ないこともありますし、
例えばメンテナンスものの企画はいつも依頼が来ていたのに、
別のライターが企画を持ち込んでそっちに行っちゃった、なんてこともあります。
安定性という面だけをとれば、日程の決まったアルバイトの方がよっぽど上。
それがライターの実情です。
連載が欲しいよぉ
そこで、毎月の食いぶちを確保するためにも何とか持ちたいのが連載ページです。
もちろん数ページの企画1本で1ヶ月暮らして行けるほどアマくはありませんし、
その企画が永久に続くわけでもありませんが、
5万でも10万でもとりあえず毎月決まった額が入って来ると気分的に楽になりますし、
業界の三角形の頂点となるバイク&クルマメーカーに対して、
あるいは他の雑誌に営業に出る場合に、
「私は今こんなページをやってるライターです」というアピールもできます。
そんなわけで、なんとか連載を持とうと、
いろいろ企画を練って持ち込んだり、編集長にかけあったりするわけです。
仕事があればあったで締め切り前には土日も関係ないし、
寝る時間もなくなるし、
仕事がこなけりゃ明日の飯の心配をしなきゃいけないし、
平日の昼間に子供と遊んでたりするんで近所の人から怪しがられるし、
やってみると決して気楽じゃないですよ、ライターは。